シンガポールはアジアにおけるBIM先進国です。

シンガポールについて


シンガポールは国土的に物資を海外から輸入する必要があり、限られた資材を効率的に運用する為、BIMの利用が図られています。

シンガポール共和国、通称「シンガポール」は、東南アジアの主権都市国家かつ島国である。 マレー半島南端、赤道の137km北に位置する。領土は菱型の本島であるシンガポール島、及び60以上の小規模な島々から構成される。

北はジョホール海峡によりマレーシア半島から、南はシンガポール海峡によりインドネシアのリアウ諸島州から、各々切り離されている。 高度に都市化され原初の現存植生はほとんど見られない。【Wikipedia より】

国際面で見るシンガポール


シンガポールは電子申請時におけるBIM利用の義務化を導入し、今では国土全体のBIM計画を発表しています。

■面積:約716平方キロメートル
■人口:約547万人(うちシンガポール人・永住者は387万人)(2013年9月)

■主要産業:製造業、商業、ビジネスサービス、運輸・通信業、金融サービス業
■名目GDP:307,860百万USドル 【2014年 シンガポール統計局】

■貿易総額:775,552百万USドル(2014年 シンガポール統計局)
(輸出額:409,536 輸入額:366,016 収支:+53,520)

■主要貿易品目:
(1)輸出:機械・輸送機器、鉱物性燃料、化学製品
(2)輸入:機械・輸送機器、鉱物性燃料、原料別製品

■通貨:シンガポール・ドル(Sドル)
■言語:国語はマレー語。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語。

対シンガポール関係


シンガポールは日本に比べてBIM利用が大幅に進展しています。

■対シンガポール貿易(2013年 財務省統計)
輸出:7270億円 輸入:20470億円

■主要取引品目
輸出:電子機器・電子部品
輸入:電子機器・電子部品

■人的往来(2015年)
日本からの訪問者数:約78.9万人(シンガポール政府観光局)
シンガポールからの訪日者数:約31万人(JNTO)

■在留邦人数:35,982人(2014年10月 (在シンガポール日本大使館への在留届数))

シンガポールのBIMの状況について


シンガポールにおけるBIMの義務化は2013年から行われ、2015年には特定規模の建物の確認申請はBIMで全て行うこととなっています。

国土的な問題から、資源の殆どを国外からの輸入に依存しているシンガポールにとって、建設産業の生産性向上は課題となっています。そのことからシンガポール建設局はBIMの導入に積極的で、 2013年から20,000㎡を超える建物の「意匠設計」はBIMで確認申請を行うように義務付けました。

また、2014年からは「意匠設計」のみならず、「構造設計」や「設備設計」もBIMで申請をするよう呼びかけ、2015年からは5,000㎡を超える建物の意匠、 構造、設備設計の確認申請を全てBIMで電子申請することとしました。

それと共にBIM普及に向け、建築建設庁はBIM導入企業に対してソフトウェアやハードウェアの購入費、教育費などに対して最大半額までの補助を行うとし、 BIM適用プロジェクトに対しても同様の補助金の交付を行っています。

近年ではシンガポール国立研究財団やシンガポール土地管理局などにより、国土全体を3Dモデル化しようとする「バーチャル・シンガポール計画」が進められています。

これは単なる3Dモデルではなく、BIMモデルのように多様な情報を内包したモデルを想定し、都市計画や住宅開発、環境など、様々な分野のシュミレーションを行えるようにする、 都市のプラットフォームの構築を目標に掲げています。

シンガポールのBIM年表

2013年:20,000㎡を超える建物の「意匠設計」の確認申請をBIMで義務付け。

2014年:20,000㎡を超える建物の「構造設計」「設備設計」の確認申請をBIMで義務付け。

2015年:5,000㎡を超える建物の「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の確認申請をBIMで義務付け。

2016年:国土全体を3Dモデル化(BIMモデル化)する、「バーチャル・シンガポール計画」を発表。